「土俵では勝負師、素顔は心優しい人」 優勝額寄贈された広島大病院

貞国聖子
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 歴代最多の優勝45度を誇る大相撲の横綱白鵬(36)=モンゴル出身、宮城野部屋=が現役引退の意向を固めた。

 広島市広島大病院には、白鵬から寄贈された縦3メートル以上、畳4・5枚分ほどの優勝額が飾られている。白鵬引退の一報に同病院の放射線腫瘍(しゅよう)学・永田靖教授(63)は「けがをおして頑張ってきたが、残念」と惜しんだ。

 同病院はモンゴルの首都ウランバートルにある国立がんセンターに、最新の放射線治療装置を導入したり医師や技師のチームを派遣したりするなどの支援を続けている。

 それを知った白鵬が2019年10月、「感謝の気持ちを伝えたい」と、東京・両国国技館に飾られていた優勝額を同病院に贈った。優勝額は13年3月場所で全勝優勝した時のもの。白鵬は同病院を訪れ、「患者さんに勇気をもって病気と闘ってほしいと願い、全勝優勝のものを選んだ」と明かしたという。その後、集まった患者らから握手やサインを求められた白鵬は、色紙に「夢」と書き、「病気で大変でしょうけれど頑張ってください」と気さくに応じていたという。

 この夜、会食の席で白鵬は「(東京)オリンピックまで頑張る」と話していたという。さらに「モンゴルはITが遅れているから賞金で大学を作って教育に力を入れたい」と夢を語っていた姿が印象的だったという。

 白鵬の父は18年、肝臓の病気で闘病の末に亡くなっており、永田教授は「父の姿を重ね合わせていたのかもしれない。土俵の上では厳しい勝負師の顔だが、素顔は心優しい人」と振り返った。「引退後も夢に向かって頑張ってほしい」(貞国聖子)