米沢キャンパスを憩いの場に ケヤキ並木保全プロジェクト開始

石井力
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 山形大学は米沢キャンパス(山形県米沢市)内のケヤキ並木を保全するプロジェクトを始めた。約30年前、工学部の創立80周年を記念して植樹されたもので、国重要文化財の旧米沢高等工業学校本館と工学部2号館の間を通る歩行者専用の並木道だ。安全な散策路として整備していく。

 今年4月、山形大学基金に寄付プロジェクト「やまだい未来へつなぐプロジェクト」を設置した。教育研究活動や環境整備などに役立てるため、目的と期間を限定し寄付を募る。今回はその第1弾として企画。米沢キャンパス全体を地域のコモンズ(公共財)ととらえ、市民と学生、教職員の交流、憩いの場として整備することを目指す。

 ケヤキ並木については、昨年度に一部を伐採する計画が浮上した。根が伸びて付近の路面がでこぼこになっていたほか、排水設備の改修が必要だったためだ。だが、工学部の教員や学生が反発し、撤回した経緯がある。

 山大はその後、配管位置を変更するなどして、伐採せずに並木道を整備。車道だったのを歩行者専用道にして、現在、両側に計26本が並んでいる。

 今回のプロジェクトでは、ケヤキの剪定(せんてい)だけでなく、根元の花壇に芝桜などを植えることを計画。また、学生食堂近くの広場にベンチなどを置き、学生や教員と市民の交流の場にする予定だ。市民に親しまれるようケヤキ並木の名称も募集し、並木の持続方針も作って学内外で共有するという。事業費は約700万円で、来年度から実施予定。

 寄付は7月から受け付けていて、プロジェクトを終える2024年3月末までの予定だ。目標額は400万円。名称の募集開始時期は未定。中島健介・工学部長は「旧米沢高等工業学校が開校した1910年から現在まで、米沢の100年をつなぐ道。この道に新たな息吹を吹き込むため、みなさんの理解と協力をお願いします」と話す。(石井力)