御嶽山噴火から7年「忘れられるのつらい」 シャボン玉に遺族ら思い

佐藤靖、滝沢隆史
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 死者・行方不明者計63人を出した御嶽山(3067メートル)の噴火災害から7年を迎えた27日、ふもとの長野県王滝村にある慰霊碑の前で、追悼献花式が行われた。前日の雨天から一転、晴天の下、参加者や遺族らが噴火時刻の午前11時52分に黙禱(もくとう)を捧げた。

 新型コロナウイルスの感染拡大で追悼式が中止となり、村や木曽町の関係者ら13人に参加者を絞って開催。遺族ら約20人も出席した。式後には、献花や御嶽山に向かって追悼の意を込めたシャボン玉が飛ばされた。

 夫・保男さん(当時54)を亡くした伊藤ひろ美さん(60)=東御市=は「今日、(登山口の)田の原まで行ってきた。毎年(27日は)いい天気で、お父さんが入山する姿を思い出す。(7年たち)噴火災害が忘れられてしまうのはつらい。安全な登山をしてもらうよう活動したい」と語った。

 次男・真友さん(当時41)を失った荒井寿雄さん(79)=同市=は「追悼式がなかったのは、少し残念。過去の噴火が生かされなかった」と語った。

 行方不明者家族の思いは7年たってもあの日のままだ。八丁ダルミで行方不明になっている野村亮太さん(当時19)=愛知県刈谷市=の母・なつ子さん(60)は「人が行かない所へ行ってしまったのか。それを思うと悲しい。あの場所が墓になるのは嫌。連れて帰りたい」と話した。

 被災者家族でつくる「山びこの会」のシャーロック英子事務局代表は「寂しい献花式になったが、シャボン玉を飛ばして精いっぱい追悼した」と話した。

 追悼式を主催した、王滝村の瀬戸普村長は「ご遺族の皆様、山に残っている5人の方、犠牲になった58人の方々のことを思うと、時間はあの時で止まっている。毎日、考えながら今後の対策に当たっている」と話した。

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 長野県庁でも御嶽山の噴火時刻に合わせて、阿部守一知事ら全職員が1分間の黙禱を捧げた。阿部知事は黙禱後、危機管理部の職員を前に訓示。「噴火災害から7年が経ったが、まだまだ多くの人の心の傷は癒えず、復旧復興も道半ばだ。災害の教訓を深く胸に刻み、火山防災に全力で取り組んでほしい」などと述べた。(佐藤靖、滝沢隆史)