恐竜の足元に「ゴキブリ王国」が? 白亜紀の地層から新種3種の化石

佐藤孝之
[PR]

 福井県立恐竜博物館(同県勝山市)は27日、恐竜化石の発掘調査をしている同市の約1億2千万年前(前期白亜紀)の地層から5種のゴキブリ類の化石が見つかり、このうち3種が新種と判明したと発表した。国内の白亜紀の地層で複数種のゴキブリ類の化石が確認されたのは初めてで、研究チームは「ゴキブリ類の進化を理解する重要な手がかりになる」としている。

 同館と九大などの共同研究で判明した。記者会見した同館の湯川弘一研究員や九大大学院理学府の大山望特別研究員によると、化石が見つかった地層はフクイサウルスなどの恐竜化石が多数出ている勝山市北谷町の手取層群北谷層。2009~15年に5種の前翅(ぜんし)の化石(最大長さ6・3~15・4ミリ)が発掘され、筋状の翅脈のパターンなどから種を詳しく分析した。

 その結果、3種が新種と判明し、「ペトロプテリクス・フクイエンシス」「プラエブラッテエラ・インエクスペクタ」「プラエブラッテエラ・アーキュアタ」と命名した。フクイエンシスは推定全長10ミリで、甲虫のような硬い翅(はね)と翅の複雑な模様などが特徴。インエクスペクタは同14ミリで、翅脈の枝分かれが多い。アーキュアタは同14ミリで、翅脈の一部が弓状やS字状になっているのが特徴という。

 残る2種は特定できていないが、ビチスマ属と、現在のオオゴキブリ科の仲間のモルフナ属の可能性が高いという。研究は、地理的に近い東アジア(中国や北朝鮮)よりも北アジアモンゴルやロシア)のゴキブリ類の化石との共通点が多いと結論づけている。

 ゴキブリ類の化石は約3億2千万年前のものが世界最古とされる。国内では山口県美祢市で発見された約2億3千万年前(三畳紀)の化石が最古で、中生代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)の報告は今回が7例目。白亜紀の地層で複数種のゴキブリ類の化石が報告されたのは国内初という。

 湯川研究員は「福井は『恐竜王国』と呼ばれるが、恐竜の足元には『ゴキブリ王国』が広がっていたのではないか」と話す。同館は10月1日から化石を一般公開する。(佐藤孝之)