韓国地裁、三菱重工業資産の売却命令 元徴用工訴訟で初判断
ソウル=神谷毅
韓国大法院(最高裁)が三菱重工業に元女子勤労挺身(ていしん)隊員らへの賠償を命じた判決をめぐり、大田地裁は27日、差し押さえられていた同社の商標権と特許権の売却命令を出した。原告側の支援団体が明らかにした。団体によると、元徴用工訴訟で売却命令が出るのは初めて。資産を売却して原告への賠償にあてる「現金化」に向けた手続きがまた一歩進んだことになる。
支援団体「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」などによると、地裁は商標権2件と特許権2件について売却命令を出した。原告の元女子勤労挺身隊員2人の債権額は、1人あたり約2億973万ウォン(約1970万円)で、賠償が遅れた利子などを含んでいるという。
三菱重工業側は不服として即時抗告でき、直ちに現金化されるわけではない。法曹関係者によると、即時抗告すれば手続きが止まる。その後に棄却されても、再抗告すれば大法院が判断するまで命令は確定しない。(ソウル=神谷毅)
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