JR西とソフトバンク、自動運転バス輸送の実証実験 10月から

筒井竜平
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 JR西日本は10月から、ソフトバンクと共同で自動運転技術を使ったバス高速輸送システム(BRT)の実証実験を始める。専用テストコースで複数の自動運転バスを隊列で走らせる予定で、実用化すれば国内初になるという。路線の維持が難しい地域などへの導入を想定しており、2020年代半ばに実用化することをめざす。

 27日に両社が発表した。滋賀県野洲市にあるJR西の所有地に専用テストコース(約1・1キロ)をつくり、ソフトバンクの通信技術を使って、サイズが異なる3種類の自動運転バスを組み合わせて隊列走行させる。23年末までに安全性などを確かめる。実用化されれば、一度に最大500人程度の輸送が可能になるといい、時間帯や行き先に応じて柔軟に輸送体制を組み替えられるという。

 BRTは基本的に廃線跡地などに整備した専用道を走るため、一般道を走るバスよりも速く、より正確な時間で輸送できるとされる。線路などの保守作業も不要で、鉄道と比べて低コストで済む利点もある。

 JR西では実用化していないが、JR東日本東日本大震災で被災した気仙沼線(宮城県)の一部の路線をBRTに転換するなど、導入を進めている。

 JR西の長谷川一明社長は27日の会見で「ローカル線の今後のモビリティー(移動手段)のあり方として、BRTは選択肢のひとつと考えている」と話した。筒井竜平

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