熱海土石流、危険はなぜ見過ごされた 盛り土に及ばない国の法規制

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阿久沢悦子
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 地球温暖化などで自然災害は年々激しさを増している。国は「国土強靱(きょうじん)化」を掲げて対策に巨費を投じてきたが、土を搬入して造成した「盛り土」は一律の法規制がなく、危険性が見過ごされてきた。自治体の条例による規制に限界がある中、盛り土が崩れた土石流で多くの命が奪われ、国の規制を求める声が上がる。

条例での規制に限界、罰金は20万円

 「被害者をこれ以上増やさないように、一石を投じる」

 静岡県熱海市で起きた土石流の犠牲者遺族が8月、土石流の起点にあった盛り土の土地所有者らを、重過失致死などの疑いで刑事告訴した。宅地造成等規制法や都市計画法などの規制が及ばない山中の盛り土について、「人災」の責任を問うためだ。

 土石流では26人が亡くなり、1人が行方不明のまま。県は上流から流れ出た盛り土の量を約5万5500立方メートルと推計する。この盛り土は2007年に業者から県の条例に基づく届け出があり、造成が始まった。申請時の高さは15メートル、量は約3万6千立方メートルだったが、実際には高さ30~50メートル、量は約7万立方メートルに達していた可能性がある。

 県の条例では、崩落の危険が…

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