お帰りなさい長門ポッポ 74年ぶりにSLが里帰り 京都から下関へ

貞松慎二郎
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 お帰りなさい、長門ポッポ――。山口県下関市豊田町の道の駅「蛍街道西ノ市」に28日、大正から昭和にかけて近くを走った長門鉄道の蒸気機関車(SL)が74年ぶりに帰還した。展示されていた京都からトレーラーで運ばれた。歴史を伝えるシンボルとして中庭に常設展示される。

 SLは26日夜に京都を発ち、この日早朝に到着した。クレーンで下ろし、通用門に接触しないよう慎重に電動ウィンチで引っ張りながら移設した。住民有志でつくる「長門ポッポを守る会」の伊藤修二会長(78)は「ホッとした。子どもたちに歴史を伝えたい」と笑顔をこぼした。

 長門鉄道は1918年に開業。下関市の小月(おづき)―西市(にしいち)(旧豊田町)間の約18キロを1時間で結んだ。平均時速20キロ強の低速で走り、「長門ポッポ」の愛称で親しまれた。小月側からは水揚げされた鮮魚を、西市側からは福岡の筑豊炭田で使う坑木用の木材や農作物を運んだ。道路網の発達で56年に廃線となった。

 今回移設されたSLは米国製で、開業当初から47年まで走ったもの。展示されていた京都府与謝野町の加悦SL広場が20年3月に閉園されることを知った下関の有志が、古里に戻そうと「守る会」を結成。広場の運営会社から無償譲渡してもらい、運搬や展示の経費は会費と寄付金、市からの補助金でまかなった。

 プラットホームや屋根などを設置し、11月6日にお披露目会を開く。豊田地区まちづくり協議会の会長も務める伊藤さんは「人口減少の歯止めにもつながれば」と期待する。貞松慎二郎