世界5都市発イベントのモンクレールCEO「人々と関係保ち続ける」

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編集委員・高橋牧子
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 2022年春夏ミラノ・コレクションで9月25日、ダウンジャケットで知られるモンクレールが、ニューヨーク、ミラノ、東京など世界の5都市発の大規模な新作発表イベント「モンド・ジーニアス」を行った。米国の歌手で俳優のアリシア・キーズらをホストに迎え、11人のデザイナーによる協業ライン「モンクレール・ジーニアス」の各コレクションを披露した。それぞれ大掛かりなインスタレーションや凝ったストーリー仕立てで、五輪の開会式のパフォーマンスを思わせる、ダイナミックなエンターテインメントを展開した。ソーシャルメディアやオンラインマガジンなど30以上のプラットフォームでストリーミング配信された。

 上海からは、歌手・俳優のヴィクトリア・ソングがミラノから出演するキーズと生中継で話しながら進行役に。「3モンクレール・グルノーブル」の作品が、光り輝く宇宙的な会場で紹介された。新作を着た12人のモデルが下からの強風を受けて、スカイダイビングさながらに宙に浮かんでみせた。

 ミラノからは「1モンクレール・JWアンダーソン」の映画館を舞台に、イタリアのルカ・グァダニーノ監督らが制作したショートフィルムが流れた。JWアンダーソンらしい独特の量感のカラフルなダウンジャケットが、レトロな映画館とほどよくマッチして可愛らしい。東京からは無機質な空間に雪が降る演出の中で、微妙なボリューム感が印象的な日本のブランド、ハイクのアウターが並んだ。

 これほどスケールが大きく、かつ多彩な表現での新作発表を、これまで見たことがない。今回のイベントを機に、モンクレールのレモ・ルッフィーニ会長兼CEOが朝日新聞の書面インタビューに応えた。「世界中の誰をも取り残さない。全ての人が参加できるような新作発表になればと考えた」などと語った。

「モンクレールが世界中の皆さんのもとにでかける」

    ◇

 ――今回のイベントを世界5都市から発信した理由、目的は?

 コロナ禍が過去1年半にもわたり、我々のものづくりやビジネスの姿勢も大きく変化しました。パンデミックが発生してから長い間、人々は旅行することも誰かに会うこともできず、「経験」を楽しむことができませんでした。今でもまだ完全に元に戻ってはいません。だからこそ、今年はモンクレールが世界中の皆さんのもとにでかけようと思ったのです。世界5都市をつなぎ、多様なプラットフォームを通じて、ただのショーではなく、ブランドの世界観を実際に感じることができるように企画しました。

 ――事前のリリースによると「人々の直接の体験を通じて世界の人々をつなぐため」とありましたが、なぜ今それが必要なのでしょうか。

 実際に人々やコミュニティーとつながること以上にパワフルなことはない、といま感じています。それを証明したいし、ファッションブランドとして、情熱やアイデア、クリエーティブなコンセプトを通じて、観客に影響を与えることができる何かを発信し続けないといけないと思いました。誰一人取り残されることなく、全員が参加できるイベント。私は、大勢の人が共に集まる時、大きなエネルギーを感じます。このプロジェクトを通じて、参加した全員が忘れられない情熱を作り出すことを実現したかった。

 ――ミラノ、ニューヨーク以…

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