日韓の写真家が撮ったそれぞれの戦後 白黒の風景はなぜ似ているのか

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神谷毅
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 韓善晶(ハンソンジョン)さん(52)が写真家、井上孝治(1919~93)の写真を直接見せられたのは2003年のこと。井上の長男、井上一(はじめ)さん(77)が白黒写真をたくさん携えて韓さんのもとを訪れ、熱く語り始めた。「これも、そしてあれも。あなたのお父さんが撮った写真と、こんなにも似ているんですよ」

 韓さんの父は韓国で著名な写真家、韓栄洙(ハンヨンス、1933~99)。1961年に韓国で撮った写真には、赤ちゃんをおぶった子供、手をつなぐ子供、レンズを見つめて笑う子供らが写る。井上が57年に福岡で撮った写真にも、ほぼ同じポーズの子供たちがいる。「少し下からカメラを構えて空を大きく映し込むアングルも含め、まるで約束でもしたかのように同じだった」と韓さんは振り返る。

 以来、互いを行き来するようになった。年に数回だが、一さんにとって3匹のゴールデンレトリバーの愛犬を失ったことがどれだけ悲しいのか、建築家や芸能人ら交友範囲がどれだけ広いのかなど何でも分かるようになった。「私より20歳以上も年上ですが友達でもあり、家族です」と韓さん。父親の似た写真を並べ、展示会をしようという話になった。

 とはいえ簡単でない。まずは…

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