台湾周辺に軍機飛ばす中国、圧力高める狙いとは 有事はあるのか

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聞き手・西本秀
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 中国と台湾の関係が悪化するなか、台湾有事をめぐる議論が、日本でも盛んに交わされています。これに対して、中台関係に詳しい東京大東洋文化研究所の松田康博教授は「中国の狙いは武力統一ではない」と分析しています。では何をめざしているのか。松田教授に聞きました。

 まつだ・やすひろ 1965年生まれ。専門は東アジア国際政治、中台関係論。在香港日本国総領事館の専門調査員や、防衛省防衛研究所の主任研究官などを経て、2011年から現職。主著に「台湾における一党独裁体制の成立」など。

 ――自民党総裁選の候補者討論などで、台湾有事の懸念が盛んに語られています。

 「中国の習近平(シーチンピン)指導部は近年、台湾周辺の空域に中国軍機を侵入させるなど、統一をめざす台湾へ圧力を高めてきた。台湾では統一を拒む与党民進党政権が長期化する勢いで、中国が主張してきた『平和統一』の見通しが立たないという焦りがある」

 ――では、武力統一しようという構えなのですか?

 「そう単純ではない。実際の武力行使は中国側にもリスクが高い。まずは軍事・経済で圧倒的な力の差を誇示し、台湾を自発的に屈服させようとするだろう。私は『強制的平和統一』と呼んでいる。武力行使に踏み切るのは、台湾が独立を宣言した場合など独立阻止のためだ」

 ――中国側のリスクとは?

 「中国軍が侵攻するなら、台湾軍は当然反撃する。台湾のミサイル攻撃に、発展した中国の沿海地域は巻き込まれ、米軍も介入する。中国軍の現状では、台湾軍や米軍と戦いつつ台湾本土に兵員を運び、兵站(へいたん)を維持し、全土を掌握するのは困難だ。中国にとって、平和統一が最善のシナリオと言える」

 ――中国軍は年々増強されています。将来的には?

 「(武力を伴う事態は)今後…

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