塩野義、コロナ「飲み薬」の最終段階の治験を開始
塩野義製薬は28日、開発中の新型コロナウイルス感染症の治療薬について、最終段階の臨床試験(治験)を開始したと発表した。7月に始めた初期の治験の結果、安全性に大きな問題はみられなかったという。軽症者向けの飲み薬で、自宅でも服用できる利点がある。
最終段階の治験は国内の軽症、無症状の患者を2千人程度集めて大規模に実施する。有効性をみながら国に承認申請する準備を進めるという。
初期の治験では健康な成人に投与し、主に安全性を確認した。服用後の血液中の成分濃度も目標値を上回ったことから、「有効性も期待できる」としている。
開発中の薬は錠剤タイプで1日1回、5日間の服用を想定。ウイルスの増殖を抑えて重症化を防ぎ、発熱やせきなどの症状を改善できると見込む。国内で現在承認されている軽症者向けの治療薬は点滴薬しかなく、飲み薬への期待は大きい。
飲み薬の開発では海外勢が先行し、米ファイザーや米メルクがすでに最終段階の治験に入っている。ファイザーは27日、飲み薬を新型コロナの予防薬としても使うための最終段階の治験を始めたと発表した。家族の感染などに気づいた段階で飲むことを想定している。(田中奏子)
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