黒田日銀総裁、在任歴代最長に 異次元緩和8年半、物価目標は未達
津阪直樹
日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は28日で在任期間が3115日となり、一万田(いちまだ)尚登(ひさと)・元総裁と並んで歴代最長となった。29日に単独トップとなる黒田総裁は8年半にわたって大規模な金融緩和を続けてきたが、目標とする2%の物価上昇率はいまだ達成できていない。
第2次世界大戦後の1946年6月に就任した一万田氏は、企業への資金供給で絶大な影響力を得たとされ、「法王」と呼ばれた。連合国軍最高司令官・マッカーサー元帥に会見を申し入れ、「ありのままのことを話し、私の意見を言うから、気に入らないことは聞き流しても結構だ」と伝え、信頼関係を築いたという。
黒田総裁は第2次安倍政権発足後の2013年3月に就任した。2%の物価上昇率を目標に掲げて「2年をめどに達成する」と宣言。デフレ脱却のために「やれることは何でもやる」とし、国債の買い入れ額を大幅に増やし、上場投資信託(ETF)を大量に購入する「異次元緩和」によって市場に大量のお金の供給を続けた。
中央銀行による異例の株の買…