「書かない市役所窓口」始めます 本人確認→口頭で申請

土井良典
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 住民票や印鑑登録証明書といった様々な書類の交付を求める住民で混み合う役所の窓口。そんなイメージを変えようと、愛知県小牧市が新たな取り組みを始める。来年2月から、利用者が交付のための申請書をほとんど書くことなく手続きを進めるようにする。

 名づけて「こまきスマート窓口」。使い勝手を良くするだけでなく、スムーズな手続きにより「密」を避けることで新型コロナウイルス対策にもなると、市は期待する。

 スマート窓口では、免許証や保険証などの身分証明書を提示して本人確認ができれば、どのような手続きをしたいかを口頭で伝えるだけで職員が対応する。専用のシステムから、申請者本人やその家族の住民記録を呼び出し、申請書を作って手続きが進められる。

 これまでは申請の際に、名前や住所、性別、生年月日などを交付申請書に利用者が自ら書かなければならなかった。さらに住民票や戸籍証明書、印鑑登録証明、納税証明など各種の書類がほしい場合、何枚も申請書を書く必要があった。だがスマート窓口では一括で申請できるようになる。専用システムから出力された申請書に目を通し、内容に間違いないか確認してサインするだけになるという。

 高齢者や外国人の利用も多い小牧市役所の窓口。市には「手続きに手間取る」といった声が寄せられていたという。市行政改革課の担当者は「住民に文書を書かせる、アナログな役所文化が当たり前にあった。『書かない』『待たせない』窓口は、職員にとっても事務効率が上がることにつながる」と説明する。

 予算は、システム改修や端末導入で約1370万円。書く機会が減るので記載台を減らすなど、窓口のレイアウト変更に約670万円を予定している。

 すでにスマート窓口を一部で試行するが、目立った混乱はないという。担当者は「同様の取り組みは県内でも珍しい。今後もスマートな行政へ知恵を絞りたい」と話している。

 市によると、市役所本庁舎だけで、2020年度は住民票の写しの発行が6万316件、印鑑登録証明の発行が3万196件あった。(土井良典)