「IRで観光に幅、都市間競争に勝つ」 日本総研の若林厚仁氏

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聞き手・箱谷真司
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 カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致をめざす大阪府・市、和歌山県長崎県の3地域の事業者が出そろった。IRは横浜市が誘致の撤回を表明するなど、賛否が分かれる。さまざまな立場の専門家に是非をたずねた。

 ――IR誘致に賛成する理由を教えてください。

賛成派 日本総研・若林厚仁氏

 「初期投資は1兆円と大きいが、経済波及効果も毎年7600億を超える見通しだ。関西の域内総生産が年約80兆円なので、約1%に相当する大きな額だ。横浜はIR誘致を断念したが、近くに大市場の東京がある。(IR以外の)他の手段で経済成長を探る余地も大きい。一方、関西では大阪自身が一番の市場で、中長期にみると成長できていない。IRを誘致し、海外から人を呼び込む必要性は大きい」

 「2018年の都市別の国際会議開催件数では、シンガポールがアジア最多の145回。東京は123回だったが、大阪は15回にとどまった。大企業の東京への本社移転が続いて仕方がない面もあるが、IR誘致によってある程度のビジネス客が往来する仕組みができれば、経済効果も期待できる」

 ――インバウンド訪日外国人客)がIRだけでお金を使って地方に向かわず、地方経済にマイナスの影響があるとの見方もあります。

 「観光客を閉じ込めない仕組みは重要だ。大阪のIRでは、VR(仮想現実)をいかして那智の滝和歌山)など地方の観光地の魅力を伝え、関心を持った観光客に行き方などを紹介する方針だ。コロナ前には、京都など人気観光地にインバウンドが集中する『オーバーツーリズム』が問題になった。コロナが落ち着けば、同じ問題が起こる。IRを介した地方への送客が増えれば意義は大きい」

 ――日本は寺社など観光資源…

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