株のネット取引 急増は若者、中核は中高年 データで見える実態は
データを集め、それをもとに考える力をいかにつけるか、教育現場で関心が高まっています。ニュースをもとにデータの捉え方を学ぶ企画の9月のテーマは「比較」。今回は構成比と相対比を考えます。
Q 株投資を始める若者が最近増えている、というニュースを見たよ。データでみるとどんな状況なの。
A 図表1を見て。証券会社のネット取引を年代別に示した。棒グラフは年代別の口座数で、折れ線が2020年度の伸び率。例えば、20代以下は19年度末が194万口座で、20年度の1年間で282万口座に増えた。折れ線をみると左の若い世代ほど高い傾向だ。
Q 確かに、20代以下は44・9%増で最も高い。ネット取引といえば、若い人の存在感がやはり高いね。
A 若者の口座数の急増は事実だけれど、口座全体のなかの構成比からは違う姿も見える。図表2はグラフをつくる際に使った元データ。例えば、20代以下の構成比は20年度末で8・5%と最も少ない。40代と50代がともに20%超と多くを占める。投資にはある程度のお金が必要で、ネット取引はこれまで中高年中心に広がってきたともいえる。
Q 伸び率も構成比もパーセントで、ややこしいね。
A 図表2の構成比をヨコに合計すると、当然だけど100%になる(四捨五入の関係で誤差あり)。一方で、表の一番下にある伸び率は19年度末と20年度末の口座数を年代ごとにタテに比べて計算した。同一時点のヨコ比較の構成比、時系列でタテ比較する伸び率と、同じパーセントでも意味は大きく違うよ。
Q なぜ若者の口座が最近大きく増えたんだろう。
A 新型コロナ禍で将来に不…
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