「子どもの権利」明記の県条例案、素案まとまる 山梨県

吉沢龍彦
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 国連子どもの権利条約が保障する「子どもの権利」を明記し、すべての子どもにやさしいまちづくりを進めることや、いじめ、体罰などの権利侵害に対する救済機関設置を定めた県条例の素案を、山梨県議会の条例作成委員会がまとめた。有識者や県民の意見も取り入れて来年3月の制定を目指すとしている。

 子どもに関する県条例には、議員提案で2017年に制定された「やまなし子ども・子育て支援条例」があるが、「子どもの権利」という言葉は盛り込まれていなかった。

 素案は条例名を「やまなし子ども条例」とした。当初は「子どもを守る条例」という名称を検討したが、「守るというのは大人の目線」と考え直したという。

 前文では「子どもの権利は、子どもが成長するために欠くことのできない大切なもの」と述べ、憲法子どもの権利条約の理念を踏まえて条例を制定することを明記した。

 県が進める施策については「子どもにやさしいまちづくり」「ヤングケアラーの支援」「子どもに対する権利侵害の救済」の三つを定める。まちづくりでは、子どもが社会の一員として意見を表明し、参加する仕組みを設けることを求める。権利侵害の救済では、侵害事案を調査する委員会を設け、知事や教育委員会に必要な措置を勧告できるようにするとしている。

 条例作成委員会は、議会の政策立案機能を高めることを目的とし、各会派が合意して設けている。(吉沢龍彦)

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【前文】

 ・子どもの権利を保障し、すべての子どもにやさしいまちづくりをめざして、憲法子どもの権利条約の理念を踏まえてこの条例を制定する

【第1章 総則】

 ・この条例は、子ども支援のための施策を総合的に推進し、子どもの最善の利益を実現することを目的とする。

【第2章 基本施策】

 ・子どもの社会参加を促進する仕組みを整備する

 ・児童館など安心して遊び、生活できる場の整備に努める

 ・子どもの権利を含む人権教育の充実に努める

【第3章 子どもにやさしいまちづくりの推進】

 ・子どもが育ち学ぶ施設や社会の一員として自分の考えや意見を表明し、参加する機会やしくみを設けるよう努める

 ・子ども施策や育ち学ぶ施設の取り組みについて、子どもの視点に立った分かりやすい情報の提供に努める

【第4章 ヤングケアラー支援】

 ・ヤングケアラー支援に必要な体制の整備に努める

【第5章 子どもの権利侵害の救済】

・子どもに対する権利侵害に関する事項を調査審議するため、子ども支援委員会を設置する

・いじめ、体罰等の権利侵害を受けた子どもまたは保護者は、委員会に救済を申し出ることができる

・委員会は子どもの権利侵害の調査審議にあたり、学校などの関係者に資料提出、説明を求めることができる

・委員会は知事または教育委員会に、子どもの権利侵害が行われないようにするために必要な措置を講ずることを勧告できる。県機関以外の関係者に対して必要な措置を要望できる