御嶽山噴火7年 富士吉田の高野さん、今年も追悼登山

河合博司
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 【山梨】死者・行方不明者63人を出した御嶽山(長野・岐阜県境、3067メートル)の噴火から27日で7年となった。4人で登山中に仲間2人を失った富士吉田市新倉の会社員、高野寛司(かんじ)さん(70)はこの日、追悼のため仲間と最期を過ごした場所に足を運んだ。毎年、続けている追悼登山だ。

 高野さんが訪れたのは「王滝頂上」。2人が倒れたのは、山頂への稜線(りょうせん)「八丁ダルミ」。26日にここで長野県王滝村職員が同行して一部の遺族を対象に初の慰霊登山が行われたが、今も王滝頂上から剣ケ峰の山頂へ向かう登山道は通行禁止で、八丁ダルミに行くことはできない。

 遭難した2人は高野さんより約200メートル先を歩いていて、噴石の直撃を受けた。高野さんともう1人は道を引き返し、避難小屋の王滝頂上山荘に逃げ込んで助かった。噴火直後、周囲は火山灰に覆われて真っ暗になったという。その瞬間の滞在場所と行動が生死を分けた。

 「お~い、そこまで行けなくてごめんな。来年こそ、目的の山頂まで連れて行くから」。高野さんは大声で叫んだ。

 噴火時刻の午前11時52分、王滝頂上に設置された村の防災無線から、黙禱(もくとう)を促すサイレンが流れた。高野さんと他の遺族たちは八丁ダルミと山頂に向かい、静かに手を合わせた。

 近くには、夫(当時59)を失った長野県安曇野市の会社員、野口弘美さん(63)もいた。この日、夫との家族写真を掲げて登山した。「体力が続く限り、この時間にここへ登ってきたい」と話し、夫が好きだったロックの音楽テープを祭壇に置いた。

 王滝村は、登山規制が続く王滝頂上から剣ケ峰の登山道について、早ければ来秋の規制解除を目指している。鋼鉄製シェルター(約30人収容)を八丁ダルミに建設する予定だ。(河合博司)