岸田氏と高市氏の陣営、決選投票の協力で一致 自民党総裁選

自民自民党総裁選2021

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 菅義偉首相の後任を選ぶ自民党総裁選は29日午後、東京都内のホテルで投開票され、新総裁が選出される。同日午前、同党の47都道府県連では、約110万人の党員・党友が投じる「地方票」の開票作業が進んだ。新総裁は、10月4日に召集される臨時国会での首相指名選挙を経て、第100代首相に選出される。

 総裁選は、衆参両院の議長を除く国会議員票(382票)と党員・党友票(382票)を合わせた計764票で争う。1回目の投票で過半数を得る候補者がいない場合は、決選投票となる。決選投票になった場合は、上位2人が国会議員票382票と47都道府県連各1票の計429票で競う。

 河野太郎行政改革相は開票が進む地方票で東京や宮城、鳥取などでリードするなど、1回目の投票でトップに立つとの見方が強い。岸田文雄政調会長も地方票では山形や山梨などで優位に立つ。

 岸田氏と高市早苗総務相の陣営はどちらかが決選投票に進んだ場合、河野氏に対抗するため、両陣営で協力することで一致した。

 河野氏は29日午前、東京都内の衆院議員宿舎前で記者団に「やるべきことをしっかりやった。あとは国民の審判を待つだけだ」と語った。

 選挙戦ではワクチン担当大臣の実績を強調し、実行力などをアピールした。脱原発や最低保障年金の政策で、他候補から集中砲火を浴びる場面もあった。石破茂元幹事長や小泉進次郎環境相ら知名度の高い2人の支援をバックに党員・党友票でトップに立つという戦略を描くが、1回目投票で過半数を得ることは難しい情勢だ。

 岸田氏は同日午前、東京都内の議員宿舎で「やることはやり尽くした。あとは天命を待つだけ。勝利を確信している」と記者団に語った。岸田氏は経済成長とともに分配を重視する「令和版所得倍増」を目指す考えを強調。中間層への支援を手厚くしたい考えだ。

 また、「国民の信頼を回復する」として、党役員に中堅・若手を登用するなどの党改革案も掲げた。決選投票になることをにらみ、河野氏に流れる可能性のある中堅・若手を取り込む戦略を進めてきた。

 高市氏は、同日午前、国会内で「すがすがしい気持ちで、祈るような気持ちで1日過ごさせていただきたい」と記者団に語った。安倍晋三前首相から全面的な支援を受けた。経済政策でも「サナエノミクス」と銘打ち、アベノミクスを継承するとともに、それ以上の財政出動を掲げた。

 また「新たな戦争の形に対応できる国防体制を構築する」として、防衛関連予算を増額する考えを強調した。決選投票に残る可能性も出ており、国会議員票の掘り起こしに努めてきた。

 野田聖子幹事長代行は同日午前、国会内で記者団に「今苦しんでいる人たちに手が届いて、生きる喜びを見いだしていただきたいなという思い一心で頑張れることができた」と語った。閣僚の半数を女性にすることや子ども庁の創設、選択的夫婦別姓の導入など、多様性や少子化対策を重視する政策を訴えてきた。

 安倍前政権で起きた、森友学園をめぐる公文書改ざん問題をめぐっては、4候補のなかで唯一、再調査に踏み込んだ。ただ、国会議員票への広がりには欠ける情勢だ。