「理想の響き、共に」 大野和士 ブリュッセル・フィル音楽監督に
編集委員・吉田純子
指揮者の大野和士(61)が来年9月、ベルギーのブリュッセル・フィルハーモニックの音楽監督に就任することが29日に発表された。管弦楽団と合唱の両方を抱える組織のため、「ヘンツェの交響曲第9番のような巨大な作品もやってみたい。オペラもぜひ、演奏会形式で」と夢を広げている。スペインのバルセロナ交響楽団音楽監督の任期は来年9月に終了し、新国立劇場オペラ部門芸術監督、東京都交響楽団音楽監督としての仕事は継続する。
ブリュッセル・フィルとの初共演は今年の1月。モーツァルト中心のプログラムだったが「響きが重厚で柔軟」とすぐに意気投合した。「相互に有機的につながっていく感覚になれる。例えば『内面的な音がほしい』と言うと、自主的にいろいろ考え、とてもコントラスト豊かな音楽をつくってくれる。理想の響きを共につくっていけるオーケストラだと確信した」
ブリュッセル・フィルの前身は、ベルギー国立放送協会が1935年に設立した放送交響楽団。ショスタコービチ、ストラビンスキー、バルトーク、メシアンらの新作を初演してきた。2017年、音楽監督のステファヌ・ドゥネーブと初来日を果たしている。
大野はザグレブ、独カールス…