きっかけは原発事故 アマゾンの先住民村で暮らした1年、映画に

有料会員記事

玉置太郎
[PR]

 ヤシの葉の束を背負い、アマゾンの森を駆ける先住民の男たち。ビデオカメラを手に必死で追う。

 見失ったら帰れない。足が泥に沈み、倒木が肌を切る。「ものともせずに進む彼らの足取りが、土地との一体感を表していた」

 撮れた映像は映画の大切な一場面になった。

写真・図版
屋根をふき替える材料にするヤシの葉を担ぎ、森を駆けるシュアール族の男性ら=映画「カナルタ」から、太田光海さん提供

 南米アマゾンの先住民と1年暮らしたら、何が見えるだろう――。そんな問いから生まれたドキュメンタリー映画「カナルタ」が、10月から各地で公開される。

 撮影したのは太田光海(あきみ)さん(31)。英国で映像人類学を研究する大学院生だった。博士論文の一部として大学に出した映像が、思いがけず世界の映画賞を受け、自力で日本公開にこぎつけた。

写真・図版
アマゾンで先住民と暮らした映像人類学者の太田光海さん=2021年9月13日、新井義顕撮影

「震災」からアマゾンへ

 出身は東京。神戸大からパリの大学院を経て、映像人類学の世界的拠点、英マンチェスター大の博士課程に進んだ。文章だけでは表現しきれない情報や経験を、映像で記録して考える学問だ。

 調査対象には南米エクアドルのアマゾン先住民を選んだ。

 着想のきっかけは東日本大震災だった。

 原発事故で土地を追われる人…

この記事は有料会員記事です。残り1466文字有料会員になると続きをお読みいただけます。