守備の要はセレッソ出身 家事担当の姉と大学生の妹、WEリーグ広島

辻健治
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 新たに始まったサッカー女子のプロ「WEリーグ」。事務局によると、全11チームのうち姉妹でプレーする選手は3組いる。そろって開幕節に出場を果たしたのは、リーグ誕生を機に発足したサンフレッチェ広島レジーナの松原姉妹のみ。右サイドバックの姉・志歩(24)と、並んでプレーするセンターバックの妹・優菜(ゆな)(21)だ。

 ちふれASエルフェン埼玉とのアウェーでの開幕節。序盤は緊張で硬さがみられ攻め込まれたが、味方が早々に得点を重ねたこともあり、3―0で逃げ切った。姉妹での出場について志歩は「特別な意識はしていないが、お互いポジション争いを勝ち取ったのは良かった」と言い、優菜は「隣にいてくれて安心。一緒にプレーできてうれしかった」と振り返る。

 2人は大阪府高石市出身。セレッソ大阪堺レディースに在籍し、年代別の日本代表も経験した。セレッソはWEリーグ参入を見送ったため、優菜が広島への加入を決め、アルビレックス新潟レディースに期限付き移籍をしていた志歩を誘ったという。志歩は「セレッソでも1期生だった。応援してもらえるようになるのも自分たち次第。広島ならではのチームを築いていきたい」と話す。

 「ちょっと大学生してきます!」。チームの練習を終えると、優菜は練習場の控室に駆け込む。現在大学4年生で、オンライン授業に出席するためだ。「卒論が進んでいなくて……」と苦笑いする。志歩は2人暮らしの家事を担当し、サッカー選手と学業との両立をめざす妹を支えている。

 2人が大阪から広島へ移り住んで驚いたのは、スポーツへの関心の高さだったという。開幕前から街で声をかけられる機会があり、志歩は「地域全体で応援するというのが伝わってきて、頑張ろうという気持ちになる」。

 本拠での「開幕戦」となった9月18日の第2節は、マイナビ仙台レディースに0―2で敗れた。2153人が訪れた一戦で、「緊張してのみ込まれてしまった」と志歩は振り返る。翌週25日の第3節では日テレ・東京ヴェルディベレーザに0―2と力及ばず、初めて連敗を喫した。

 10月2日の第4節は、志歩の古巣・新潟と本拠初勝利をかけて戦う。今後に向けて志歩は「強い気持ちを持って、チームのためにたくさん走れたらいい」。姉妹は攻撃にも積極的に参加するのが持ち味。優菜は「セットプレーではお姉ちゃんが蹴って、自分がゴールを決めたい」と意欲を示している。(辻健治)