第11回2人の夢に出てきたママ 「気持ち伝えよう」夫はノートを手に取った

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編集委員・田村建二
写真・図版
こうめいさんの考えで、みどりさんとのお別れの儀式には、娘たちも参加した=2020年1月26日、家族提供
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だいすきノート 第11話

 横浜市のみどりさんは、スキルス胃がんのため、2020年1月23日に亡くなった。32歳だった。

 28日に葬儀を終え、みどりさんの在宅生活を支えた夫婦双方の両親や親戚たちも、それぞれの地元に帰っていった。

 夫のこうめいさん(37)、4歳だった双子のもっちゃん、こっちゃん。3人の暮らしが始まった。

 こうめいさんは夜、2人が眠る前に、絵本の代わりに写真が入ったミニアルバムを用意した。

 ベッド上で3人、仰向けで川の字になり、真ん中にいるこうめいさんが、アルバムを開いて見せた。

 みどりさんが高校時代、軽音楽部に所属していたとき。こうめいさんと出会って、デートしたとき。結婚式のとき。写真を見せながら、思い出話をした。

 このとき、ママはこんなことを話していたよ、ママはこれが好きでよく食べていたよ。そう話して聞かせた。

 「ママちゃん物語」と呼んだ。

 ママがいなくなったことを、悲しく思わないでほしい。そんな気持ちを込めて、毎晩続けた。

 幼稚園への登園を再開した1月30日の朝。ご飯を食べていると、もっちゃんが言った。

 「きょう、ママの夢をみた」

 こっちゃんも、すぐ続いた。

 「え、私もみたよ。ママちゃん、立って、笑ってた」

 2人の話は、さらに広がった…

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