トヨタ系販売店の不正車検拡大 再発防止に整備士の待遇改善や採用増

有料会員記事

近藤郷平、福田直之 構成・神山純一
[PR]

 トヨタ自動車系の販売店で不正車検が広がっていた。トヨタはメーカーとしての責任を認め再発防止に取り組むが、販売店との連携強化など課題も多く、実効性が問われる。

 トヨタは販売店による不正を防ぐ具体策として、車検などの作業を撮影することを、29日の会見で明らかにした。検査が正しく行われたのかを第三者が確認できるようにする。検査結果の数値が自動転送され、改ざんできなくなる仕組みもつくる。

 不正車検の対象車両については、それぞれの販売店が無償で再検査をしているという。トヨタは販売店との来年の基本契約は原点に戻って確認し、「未来に向けて再出発する」としている。

 販売店のガバナンス(企業統治)の改善は大きなテーマだ。全国約260の販売会社には地元の「名士」が経営し独立意識が高いところもある。ガバナンスの態勢について、ばらつきもあるという。

 販売店をめぐっては、顧客の個人情報を同意を得ずにネットサービスの会員登録に使っていた問題も、今年に入って判明した。件数は販売会社37社で計約1万に上る。トヨタが販売店に会員登録を促していたことが、一因になったという。

 昨年からはすべての販売店で「全車種併売」を始めた。系列ごとに主に高級車、小型車などと差別化してきたやり方を変えようとしている。国内の自動車市場が縮小傾向にあるなか、販売店を競わせることもねらう。サブスクリプション定額制)など、新たなサービスも充実させようとしている。こうした対応に販売現場には、「競争が激しくなり淘汰(とうた)される店も出てくる」との不安がある。

 トヨタ生産方式(TPS)に基づく販売の改善も引き続き進めようとしている。ある販売店経営者は、現場は顧客の感情に寄り添うものだとして、「製造ラインから生まれたTPSを応用するのは簡単ではない」と明かす。

人手不足が業界全体の課題

 車検は保安基準に合っているかどうかを確認する重要な制度だ。国の検査場以外にも、民間の指定工場がある。指定工場にかかわる不正は過去にもあった。

 国土交通省によると、不正車…

この記事は有料会員記事です。残り1864文字有料会員になると続きをお読みいただけます。