この田んぼで「微生物発電」実験中です 「SDGs未来都市」の鳥取

石川和彦
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 持続可能なまちづくりを進める「SDGs未来都市」に国から選ばれた鳥取市。産学官の連携による「自然エネルギーの創出と活用による農村イノベーション」の実現を掲げており、重要な事業の一つとなる微生物発電の実用化を目指した実証実験が、市内の耕作放棄地で進められている。

 市によると、微生物の中には土や泥に含まれる有機物を分解する際、電子を発生させる種類がある。市が実用化を目指す微生物発電では、このタイプの微生物が多く付着する多孔質ガラス発泡材「ポーラスα」を使った燃料電池を作ることで、従来のものより多くの電気を発生させることを狙う。

 実証実験は今年3月に始まった。「ポーラスα」を県と共同開発した鳥取再資源化研究所(北栄町)が、鳥取市や大手商社の丸紅(東京)、山口東京理科大学(山口県山陽小野田市)と連携して進めており、同市鹿野町耕作放棄地に水が張られ、64基の燃料電池が設置されている。

 同研究所と同理科大が連携して実施した実験では、「ポーラスα」を使った燃料電池は、発電能力が最大で約10倍高くなることが示されている。今回の実証実験では、実際の田んぼでも同様の発電能力があるかを確かめるのが目的だ。

 鳥取市によると、発電能力を10倍にできれば、100平方メートルの田んぼで一般家庭1世帯の消費電力(1カ月あたり400キロワット時)をまかなえるという。

 市の担当者は、基本的に水と土があれば発電が可能▽田んぼをそのまま活用できる▽電柱などの設置コストがかからない――などの微生物発電の利点を挙げ、「電力網の脆弱(ぜいじゃく)な地域の様々な課題解決につながる可能性がある」と期待を寄せている。(石川和彦)