麻生久美子さんの「一日一生」 毎朝生まれ変わって、明日を楽しむ
「人生100年時代」が近づくいま、50歳はちょうど中間地点です。変わる身体、働き方、家族との関係……。朝日新聞と宝島社の女性誌「GLOW」の共同プロジェクト「Aging Gracefully」(エイジング グレイスフリー)は、家庭や職場、地域で大事な役割を担うミドルエイジの女性たちの「いま」と「これから」を見つめ、自分らしく年齢を重ねていくことを応援します。
今回は、ラブコメや社会派警察ドラマなど、年々、活躍の幅を広げている俳優の麻生久美子さんのインタビューをお届けします。
俳優 麻生久美子さん
「あの、よかったらメザシ、いかがですか? 子どもが釣ったものなんですけど……」
差し出されたホイルの上には、カリカリに焼かれた麻生さんお手製のメザシが一列に並んでいた。一口かむと、香ばしさと優しい塩味がほんのり広がった。
誰にでも気さくに話しかけ、よく笑う。おだやかな、飾らない言葉の端々に、日々の生活を大切にしている様子がにじむ。この人がチームにいたら、現場は絶対に楽しいはず。話題作への出演が相次ぐのも、人柄に魅了される人が少なくないからではないか。
最新の出演作は、NHKドラマ「オリバーな犬、(Gosh!!)このヤロウ」。自身の代表作でもあるドラマ「時効警察」シリーズで15年来の盟友・オダギリジョーさんが脚本・演出を務め、鑑識課の警察官と相棒の警察犬・オリバーが、奇妙な事件の解決に挑むストーリーだ。
麻生さんは自称「仕事のできる上司」で、主人公の先輩役。撮影の1カ月前、役づくりにと試しに前髪を切り、オダギリさんに写真を送ったところ、「すごく面白がってくださって。届いた台本を見たら、前髪を切るのが好きで、何かにつけて前髪を切ってくるキャラになっていました」と笑った。
見どころを尋ねると、「オダギリさんの人徳なんでしょうけど、とにかくキャストが豪華!」と目を輝かせ、「永山瑛太さん、橋爪功さんにくっきー!さんに……。皆さん個性的で最高です。主演の池松壮亮さんはニュートラルで、うまくバランスを取っているんですよね」。
また、オダギリさんは役者の時と監督の時とでは「全然違う」と話す。「監督の時はすごく優しくて、気遣いの人に変身するんですよ。あれこれ言わないから、皆さんのびのびお芝居されていて。世界観も普通のドラマとは違うし、編集も、こんな見せ方するの?というところがある。そのセンスの良さがすごいなと」
「役者でありながら、役者ではない立ち位置」
個性派の面々が自由な演技を繰り広げる中、麻生さんだけはオダギリさんから細かい演出をつけられた。長年の信頼関係あってこそだろう。
「撮影前に言われたんです…
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