コロナ禍で苦しい学生を食事で支援 飲食店が「学食」 北海道旭川

本田大次郎
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 街中を学食にして、コロナ禍で生活が苦しい学生をみんなで応援しよう――。緊急事態宣言が明ける10月1日、北海道旭川市で市民の寄付をもとに、飲食店が学生に食事を提供する取り組みが始まる。「旭川学食化計画」の始動だ。

 市内で「子ども食堂」や学生支援に取り組む市民有志が、実行委員会をつくって取り組む。参加するのは9月30日現在で12店舗。

 「学食化計画」の仕組みはまず、各店に市民の寄付をもとに1枚500円の食事チケットを配布する。学生が店を訪れた際、チケットが店にあれば、学生は学生証を提示してチケットを使い、「学食」用の食事を無料で食べられる。店はチケット1枚につき500円を実行委から受け取る。

 対象の学生は、旭川医科大、旭川大、北海道教育大旭川校のほか、市内の短大や専門学校などに通う人。市民は実行委に直接寄付するほか、自身が店を利用した際、学生におごるような感覚で寄付もできる。

 学食化計画のきっかけは、6月に道教大旭川校であった「フードパントリー」。コロナの影響でアルバイトができず、食事にも影響が出ている学生に食材を無償配布した。市民から食材の寄付や寄付金が集まり、約200人の学生たちにお米やレトルト食品などが提供された。

 寄付集めに携わった市民の一人で、子ども食堂を主宰する平島淳嗣さん(48)は、学生たちの感想にショックを受けたという。

 「バイトの勤務時間が削減されて食費に困っていた」「バイトが減少。日々残金と相談しながら節約していた」「コロナ禍で楽しみなことが何もなかったが、すごく元気になった」「人に会う機会が減ったなかで、地域の方の暖かさを感じた」――。平島さんは「私たちが思っていた以上に、学生たちは大変な状況にあった。これから地域を支えてくれる学生たちを、旭川の街全体でなんとか応援したい」と話す。

 そこで知人たちと考えたのが「学食化計画」だ。計画をSNSなどで公表すると、協力の申し出も相次いだ。参加する店は、大学近くのラーメン店や繁華街の飲食店、弁当店などバラエティーに富む。

 参加店の一つで、道教大旭川校そばの「ホワイトベースカフェ」は、これまでも独自に学生にお米やカレーパンの配布をしてきた。同店の大江育未代表は「学生を応援しようという飲食店や市民が一緒になって取り組むことで、もっと大きな力になる」と話す。同店では、通常メニューにはないロコモコ丼を1日5食、用意するという。

 学食化計画の店舗一覧や寄付の方法など詳細は、同計画のウェブサイト(https://peraichi.com/landing_pages/view/asahikawagakusyokuprj別ウインドウで開きます)やフェイスブックへ。協力飲食店も募集している。(本田大次郎)

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