高校生いじめ自殺、回避「可能だった」 高裁も学校側の責任認定

布田一樹
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 福岡県太宰府市の私立筑紫台高校3年の男子生徒(当時18)が2013年に自殺したのはいじめが原因だとして、遺族が同校を運営する学校法人・筑紫台学園に約9500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、福岡高裁であった。森冨義明裁判長はいじめと自殺との因果関係や学校の責任をあらためて認め、一審・福岡地裁判決が学校側に命じた約2600万円の賠償を約3千万円に増額した。

 一審判決によると、生徒は1年生の2学期ごろから身体的特徴をからかう呼び方をされ、2年生になると同級生から殴られるなどの暴行を受け、13年11月に自殺した。

 高裁は、生徒が以前、自殺未遂をした時にできた首のあざを担任教諭が確認したことなどから、「いじめにより自殺を図ることを具体的に予見できた」と指摘。学校がいじめ対応マニュアルに従い、さらなる情報収集や教員間の情報共有、生徒への心理的なケアといった適切な対応をしていれば「自殺を回避することが可能だった」と安全配慮義務違反を認定した。

 また、生徒が高校卒業後に公務員専門学校に入学予定だったことを考慮し、生涯で得られたはずの収入の認定額を増額した。

 訴訟では、遺族と加害者の元同級生とは和解が成立したが、学校側は学校の対応と自殺との因果関係を否定していた。

 高裁判決後に記者会見した生徒の父親(68)は「良い判決をいただいて本当によかった。ただ、学校側からの謝罪もなく、どれだけ反省しているのか分からない。今後、この判決が学校教育でのいじめ防止に役立てばと思う」と話した。

 筑紫台学園は代理人弁護士を通じて「判決を重く受け止め、引き続きいじめ防止の取り組みを進めてまいります」とコメントした。(布田一樹)