井山裕太、リスク恐れぬ踏み込みで貫く前進流 囲碁名人戦第4局解説

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大出公二
【囲碁名人戦バーチャル大盤解説会】メイン解説・謝依旻七段、ゲストも続々【第46期囲碁名人戦第4局2日目】
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第4局も終盤まで熱い対局が続いた。左は井山裕太名人、右は一力遼天元=2021年9月29日、神奈川県箱根町の強羅環翠楼、迫和義撮影
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 リスクを避けては勝利に近づけない。名人の残す棋譜は、勝負の世界の大原則を雄弁に物語る。第46期囲碁名人戦七番勝負(主催・朝日新聞社、協賛・株式会社 明治、マニフレックス)の第4局も、恐れず踏み込む“前進流”を貫き、挑戦者の粘りを断ち切った。

 積極策か、安全策か。2日目の対局再開早々、選択を迫られた井山裕太名人は図1黒1の積極策を選んだ。黒1がないと白A、黒B、白1と完封され、左辺の黒石3個が置き去りになる。これを防ぐには黒1ともう一つ、黒Cの選択肢があった。

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 黒Cは△を確実に取り込む安全策。左上の黒の構えは盤石だが、標的にしたい左辺中央の白石2個への当たりは弱い。実戦の黒1は白への攻めを重視した。ただし△は死にきっていない。黒の腹中に潜む爆弾として不気味に息づく。

 手数が進んで図2白1と、一…

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