「エスカレーター歩かないで」 埼玉県が条例施行 まだ右側歩く人も

川野由起
【動画】「エスカレーター歩行禁止」条例、動画で解説(2021年5月)/取材・撮影=鈴木峻・竹谷俊之、イラスト=花岡紗季
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 歩かず走らず立ち止まってエスカレーターを利用することを義務づけた埼玉県条例が1日、施行される。違反しても罰則はない。施行日前日の9月30日、利用者に聞くと、「つい歩いてしまう」との声も。課題は、まずは周知のようだ。

 30日午前、JR浦和駅にあるエスカレーターの脇に「立ち止まろう」「義務化」などと書かれたステッカーが貼られていた。立ち止まって乗る人がほとんどだが、中には右側を歩く人もいた。

 同区のパート女性(41)は「子どもといる時は危ないので立ち止まるが、朝の通勤の時はつい歩いてしまう。ニュースで条例を知ったのでこれからは気をつけようと思う」。同市緑区の女性(68)はひざの調子が良くないため、必ず立ち止まって乗っているといい、「歩いている人の荷物がぶつかって危ない思いをするときがある。他県にも広まってほしい」と言う。

 27日朝には同駅で、大野元裕知事が通勤客らに「毎年多くの事故が出ている。ぜひ立ち止まってご利用をお願いしたい」と呼びかけた。

 条例ではエスカレーターを管理する事業者に周知を義務づけており、百貨店といった大型商業施設などでも取り組みが始まる。

 伊勢丹浦和店(さいたま市浦和区)では、エスカレーターに注意を促すステッカーを貼るほか、「エスカレーターでの歩行は大変危険ですので立ち止まってお乗りください」との放送を流すという。浦和パルコ(同)も館内放送をする。従業員には率先して立ち止まって利用するよう求めるという。

 JR東日本大宮支社によると、10月から全国の鉄道事業者と共に「歩かず立ち止まろうキャンペーン」を行い、条例施行に合わせ駅や車内の放送やディスプレイで呼びかけるという。(川野由起)