地元産婦人科医の寄付で添田町が奨学金創設 1人目の学生決定

遠山武
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 福岡県添田町が、地元の産婦人科医師から寄付された2千万円をもとに返済の必要のない給付型奨学金を創設し、9月29日、1人目の対象となった学生に決定通知を手渡した。学生には卒業するまで月額3万円が支払われる。

 町内の産婦人科医院院長の中山麻子さん(86)が6月、町内出身者の就学に役立ててほしいと、収入から少しずつためたという貯金を寄付していた。

 大分県日田市出身の中山さんは結婚を機に同町に移り住み、1967年に医院を開業。これまでに3千人を超す赤ちゃんの出産に立ち会うなど、地域の子どもたちを見守ってきた。新型コロナ禍で多くの学生たちが経済的に苦しんでいる様子を見かねて、寄付を決めたという。

 町は、中山さんの名前を冠した奨学金を創設。町内出身で大学や高専、専門学校などの進学予定者と在籍者のうち一定の要件を満たした人に、年間最大3人まで給付する。奨学金制度は、寄付金がなくなるまで続けるという。

 最初の対象者は福岡大経済学部1年、渡辺菜の香(なのか)さん(19)。コロナ禍でオンライン授業が続き、「学生生活の実感がない」としながらも、「4年間の学びを将来につなげるようにしたい」と抱負を述べた。

 通知交付式に駆けつけた中山さんは「生涯のどこかで恩返しすればいい、という気持ちで頑張って」と激励した。(遠山武)