第3回子ども好きの白鵬が広げた相撲の裾野 被災地の土俵にも育てた芽

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松本龍三郎
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 強さを誇った土俵の上だけでなく、俵の外でも、その存在感は際立っていた。

 横綱白鵬を語る上で、欠かせないのが被災地とのつながりだ。当時は一人横綱だった2011年3月11日、東日本大震災が日本を襲った。自身の誕生日と重なった大災害を、白鵬はのちに「宿命」と表現する。

 相撲界の先頭で復興支援を引っ張った。被災した子どものために今後10年間、関取の地位にある力士は毎月1万円を寄付する――。力士会長の立場から発災翌月に提案し、実行へ移した。震災3カ月後には関取らを引き連れ岩手、宮城、福島の被災3県を慰問。大地を鎮めるとされる横綱土俵入りを、被災者の前で披露した。

 その際訪れた岩手県山田町では、津波に流された土俵を力士会の寄付で再建した。落成式にも足を運び、「新しい土俵で子どもたちをバックアップしたい」と言った。その後も節目のたびに被災地を思う言葉を発し、春場所で迎える「3・11」は出場した全6戦で一度も負けていない。

 再建された山田町の土俵では今、子どもたちが汗を流す。3年前に町職員の佐藤哲也さん(50)と長男・真士(しんじ)君(10)が親子だけで始めた相撲クラブは、13人にまで増えた。今夏は念願の東北大会出場を果たした。10月には土俵で小学生の県大会が開かれる。

 震災から10年が近づいた今…

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