自民党総裁選の地方票、全国8県のみの岸田氏トップ 山口県でなぜ?
29日にあった自民党総裁選の党員・党友による地方票で、新総裁に選ばれた岸田文雄前政調会長が、地方票トップの河野太郎行政改革相の得票を上回った都道府県は8県のみだった。山口県もその一つ。河野氏は高市早苗前総務相の得票も下回り、山口県では3番手。世論調査で支持が高かった河野氏はなぜ山口で沈んだのか。
山口県の地方票の内訳は、岸田氏5565票、高市氏5032票、河野氏2947票、野田聖子幹事長代行345票。岸田氏が河野氏を2600票あまり上回った。
「大逆転よ」。29日、山口市内であった党員票の開票作業を見守った自民県議は驚きを隠さなかった。
「岸田さんからは一番最初にはがきが届いた。その後も数回はがきが送られてきた」(党員の薬剤師女性)
「高市さんを、と知り合いの党員にお願いすると、『もう岸田さんに入れた』という方が結構いた」(高市氏支持の自民県議)
県内の支持模様を取材しようと党員に取材をすると、そんな声が相次いだ。
岸田氏に一票を投じた同県山陽小野田市の会社社長の男性(28)は「コロナ感染対策や経済政策を見て、実現可能性が一番高そうだった」と話す。
岸田氏を支持した自民県議は「立候補表明が早く、党改革を打ち出すなど最初のインパクトがすごかった。政策的にも人柄でも安定感があった。論戦を続けるうち、熱意や誠実な姿勢が評価されていった」とみる。山口県は岸田氏の地元・広島県の隣で、別の県議は「岸田さんに親近感を覚える人が多い気がした」と振り返る。
衆院山口4区選出で県内に強…