平昌以来の敗北を乗り越えた王者チェン 「不安にとらわれたら…」

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岩佐友
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 「私も人間です」

 ネーサン・チェン(米国)がそう口にしたのは10月22日、ラスベガスでのことだった。

 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ初戦、スケートアメリカのショートプログラム(SP)で転倒。4位に沈んだ後の取材エリアでの発言だった。

 「ミスすることもある」 「心配性で、緊張もする。恐怖も感じる。それは普通のことだ」

 「五輪シーズンはいつもと違う。その影響もある」

 早口でまくし立てた。

 これまで精密機械のように正確に、技を決めてきた王者に動揺が見えた。

 翌日のフリーは4回転ジャンプを5種類6本投入するという異次元の構成で臨んだ。決めきることはできず、3位にとどまった。

 5位だった平昌五輪後、初めての敗北に「連勝はいつか止まるもの」と静かに言った。

 1週間でどこまで立て直せるか。スケートカナダの大きな注目だった。

 29日のSPをノーミスで滑りきり、30日のフリーへ。しかし、演技前にアクシデントがあった。

 ラファエル・アルトゥニアン・コーチがコロナ対策に違反したため、同行できなくなったのだ。コーチ不在の中で戦うことになったが、演技に集中した。

 「彼は私たちが自立できるように鍛えてくれている。何をすべきかはわかっている。変わりはなかった」

 そのなかで、選択した構成は4回転を3種類4本。「(先週から)時間がなかったし、股関節を少し痛めていた」と難度を落として、確実性を優先した。

毎週水曜日にフィギュアスケートにまつわる話題をお届けします.

 冒頭の4回転サルコーを皮切…

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