享栄が逆転負け、エース藤本投手の力投実らず 秋季東海高校野球

仲川明里
[PR]

 第74回秋季東海地区高校野球大会(東海地区高校野球連盟主催)は31日、愛知県岡崎市民球場などで1、2回戦4試合があった。至学館(愛知2位)が終盤に加点し、岐阜第一(岐阜3位)に5―3で逆転勝利。享栄(愛知1位)は2―3で大垣日大(岐阜2位)に逆転負けした。日大三島(静岡1位)が津商(三重2位)を破ったほか、聖隷(静岡2位)が津田学園(三重3位)を終盤に突き放し、八回コールドで快勝した。11月3日は岡崎市民球場で2回戦2試合があり、至学館は三重(三重1位)、聖隷は中京(岐阜1位)と対戦する。

エースの意地で完投 享栄・藤本投手

 七回。2死一、二塁のピンチ。享栄のエース藤本逸希投手(2年)は自らに言い聞かせた。

 「もう1点もやれない。ここで必ず流れを切る」

 1ストライクからの2球目。直球が高めに浮いた。打球は快音とともに右前で弾む。勝ち越しの適時打を許し、結局、これが決勝点となった。

 最速139キロの直球にスライダーなど4種の変化球を操る左腕。秋の県大会では5試合に登板し、計39イニングでわずか4失点。絶対的エースとしてチームを東海大会に導いた。

 だが、秋の県大会前から感じていた腰の痛みが東海大会直前に悪化した。藤本投手は「試合中は痛みはなかったけど、腰をかばおうとして内角の球がうまく決まらずに中に入ってしまった」。それでも、「甲子園出場というみんなの夢や思いを背負っていたので、腰が砕けても最後まで投げるつもりだった」。

 県大会6試合で43得点の強力打線も、この日はつながらず、一回の2点のみ。援護を待ち、9安打を浴びながらも3失点、139球の粘投は実らなかった。

 試合後、藤本投手は「自分が打たれたせいで、守備からリズムをつくって攻撃につなげる享栄らしい野球ができなかった」と悔やむ。「早くけがを治し、夏こそ甲子園に行けるようもっと球威を磨いていきたい」と話した。(仲川明里)