目には涙、そして抱擁 山本太郎氏の表明に揺れた共闘候補の吉田氏

2021衆院選

井上恵一朗
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 れいわ山本太郎代表の突然の出馬表明で野党共闘が揺らいだ東京8区。山本氏の出馬撤回と共産の候補取り下げで、野党一本化の候補となった立憲新顔の吉田晴美氏(49)が、自民前職の石原伸晃氏(64)を破り、初当選を確実にした。野党共闘が奏功し、党幹事長や経済再生相などを歴任した重鎮の石原氏の固い地盤を崩した格好だ。

 吉田氏は31日午後8時半ごろ、50人ほどの支援者らが詰めかけた杉並区内の事務所に姿を見せ、目に涙を浮かべて支援者らと抱き合った。吉田氏は「野党統一候補として、全国の方から『吉田頑張れ』という声を頂いた。区民の思いを国会にぶつけるとお約束した。これからの働きぶりで皆様の期待に応えていきたい」と喜びを語った。

 杉並区を選挙区とする東京8区は、1996年の小選挙区導入以来、石原氏が8連勝して議席を守ってきた。ただ、前回、約10万票を集めた石原氏と、次点だった吉田氏の差は2万3千票余り。共産など野党系候補の票を単純に足せば、逆転できる計算で、野党側を支援する市民グループなどは野党共闘を「念願」としてきた。

 山本氏の出馬表明に吉田氏の支持者が反発し、共闘はご破算になりかけたが、山本氏の撤退に続き、共産も候補を取り下げて、公示目前の土壇場で共闘が成立。立憲の枝野幸男代表が公示日に応援演説に立ち、その後れいわの山本代表も駆けつけ、「共闘」を象徴する選挙区となった。

 一方、石原氏の陣営は危機感を示し、石原氏自ら選挙区に張り付いて街頭活動で支援を訴えた。終盤には岸田文雄首相が応援に入る異例の対応を取ったが、及ばなかった。石原氏は31日夜、選挙事務所で関係者を前に「私の力量不足でこのような結果を招き、大将として申し訳ございませんでした」と述べた。井上恵一朗

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