山形の女子中学生転落死 酒田市教委、第三者委でいじめ調査へ
鵜沼照都
山形県酒田市内の中学校で今年2月、女子生徒が校舎から転落し死亡した。市教育委員会は、転落は自殺であったとして有識者らによる第三者委員会の「いじめ問題対応委員会」で詳細調査を行う。9月30日にあった同市の定例記者会見で、鈴木和仁教育長が明らかにした。
市教委は、事案発生の直後から、生徒の転落死について自殺と認識。「背景としていじめの可能性が否定できない」として、この事案を「いじめ重大事案」と認定した。直ちに生徒の家族や学校と連携しながら基本的な背景調査をした。
その結果、生徒が嫌がらせを受けていたり、学校生活に不満があったりするなどとして家族や担任に相談しており、経過観察中だったことが確認できた。しかし、「直接的に嫌がらせや攻撃を受けていた」という状況の確認は出来ず、3月の時点では家族の意向もあり、事案の公表は行わないなどの決定をしていた。
学校と家族は新年度になってからも引き続き連絡を取り合っていた。6月下旬になって家族から「いじめと疑われる行為について詳しく調査して欲しい」と要望があった。このため市教委は、条例に基づく「いじめ問題対応委員会」での詳細調査を行うことにした。
今後は家族の了解を得ながら、調査の方針や内容などを決めていくという。(鵜沼照都)