新橋の居酒屋に乾杯の声 景況感「最悪」の飲食業、宣言解除に望み

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山下裕志、友田雄大、小出大貴
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 日本銀行が1日に公表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業・製造業の業況判断指数(DI)が前回6月から4ポイント上向いてプラス18、大企業・非製造業が1ポイント上昇してプラス2と、5四半期連続の改善となった。ただ、改善ペースは鈍化しており、非製造業を中心に緊急事態宣言の解除後の商機に期待を寄せる。

 DIは自社の景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」とした割合を引いた指数。大企業・製造業のうち、機械や金属などのDIは、コロナ下でのテレワーク対応やデジタル化投資を追い風に、プラス30前後の高水準となった。自動車は前回から10ポイント下げてマイナス7となった。感染拡大が続く東南アジアの工場の操業が止まって部品調達が難しくなり、各メーカーが減産に追い込まれた。影響は他の産業にも広がり、製造業の見通しを押し下げる要因になった。

 一方、大企業・非製造業では通信や対事業所サービスが堅調だったものの、デルタ株による感染急拡大が影響した宿泊・飲食業はマイナス74と、全業種で最も悪かった。

 大企業と中小企業の景況感の差も広がっている。DIは大企業全体ではプラス10、中小企業全体ではマイナス8で18ポイントの差が出た。東日本大震災の影響を一部折り込んだ2011年3月の調査以来の大きさとなっている。

 第一生命経済研究所の熊野英生氏は「需給の逼迫(ひっぱく)から様々な原材料費が高騰しているが、大企業は海外事業を中心に価格に反映できている一方、国内向け中心の中小企業は値上げに抵抗感の強い国内市場で苦しんでいる」と指摘する。

 足元では感染状況が急速に改善している。9月30日には緊急事態宣言が解除され、業績回復への期待が高まる。宿泊・飲食業の場合、3カ月後のDIはマイナス59と15ポイントの改善を見込む。

 1日午後4時半、約2カ月半ぶりに営業を再開した東京都港区の「三代目鳥メロ 新橋銀座口ガード下店」には雨が降る中、5組ほどの客が店を訪れ、酒や料理を楽しんでいた。都内の大学に通う女性(22)は「お店の雰囲気で飲むのが楽しい」と満足げだった。

 竹内洋之店長(29)は「休業には無力さを感じていたが、営業を再開できてうれしい」と話す。運営する外食大手ワタミは1日、休業していた約250店のうち約150店を開けた。営業にあたり、すべての店で接客する従業員に抗原検査を実施し、陰性を確認。胸元に「ワタミ安心宣言」と記したバッジをつけてアピールする。

 とはいえ、飲食店の時短営業は多くの地域で続く。

 ワタミの渡辺美樹・会長兼社長は1日のオンライン会見で「『全面解除』という言葉が独り歩きしているが、いまだ時短要請は残っている状況だ。私どものように時間制限を守っていれば、守っていない店との戦いに非常に不利であり、苦戦している」と不満を漏らした。

 各自治体の要請に応じ、東京…

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