20年前、女装に暴言……今は寛容な人増えてきた 石川

平川仁
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 「20年前、片町を女装して歩いていたら、車からペットボトルを投げられたり、暴言を吐かれたりしました。追いかけて投げ返してましたけど」

 金沢市の繁華街、片町のバー「パンテーラ」のおかみで女装家の阿(ア)武(ブ)虎(ドラ)さんの快活な言葉に、集まった50人超の参加者は、息をのみ、笑った。

 金沢駅前のホテルで9月25日、性の多様性について語り合うトークショー「にじのまカフェ 特別版」が開かれた。阿武虎さんら石川にゆかりのある「LGBTQ+」(性的少数者)やその支援者4人に、エッセイストでタレントの小島慶子さんや女装パフォーマーでゲイを自認するブルボンヌさんも参加。多様性を認め合う社会をどう作っていくか、議論を交わした。

 トークショーでは、ブルボンヌさんが、「LGBTQ+をテレビなどで見た親の反応を、子どもはよく見ているもの。否定的な反応を覚えている当事者は多い」と話すと、小島さんは、「家族間の結びつきが強いとされる北陸では、家族が寛容な態度で会話をすることが大切」と返していた。

 刺激的なエピソードを披露した阿武虎さんは、20年前とは違い、性の多様性に寛容な人が増えてきたとも指摘。「人生短いんだから、着たいもの着て、やりたいことをやりましょう」と呼びかけると、会場は拍手で満たされた。

 「にじのまカフェ」は、同市小橋町の古民家「Kanazawa旅音」でLGBTQ+や「アライ(ALLY)」と呼ばれる支援者らが集まり、性の多様性について話し合う定期イベント。今回は、一般社団法人「金沢レインボープライド」が主催する啓発イベント「金沢プライドウィーク」(9月23~25日、10月9、10日の5日間)に合わせた特別版として、金沢駅前の米ハイアットグループのホテル「ハイアットハウス金沢」で開催した。9日も同じ場所で特別版のトークショーを開く。

 「金沢レインボープライド」の共同代表で、イベントを企画した松中権(ごん)さんは「性の多様性に悩む人には安心な場所に、あまり知らない人には知る機会に、そして全員がつながれる場所になれば」と話していた。

 10日には、北陸初のLGBTQ+の当事者やアライが金沢市街を歩く「金沢プライドパレード2021」などがある。詳細はhttps://www.kanazawarainbowpride.com/別ウインドウで開きます(平川仁)

Think Gender

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男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ]