宣言解除日、伏見の酒造組合が鏡開き 実はノンアル、迷った末に

諏訪和仁
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 新型コロナウイルス対応で出ていた緊急事態宣言が明けた1日、酒だるの鏡開きと乾杯のイベントが京都市内で開かれた。

 伏見酒造組合(京都市)と京都信用金庫(同)が2日から始める「蔵本流・日本酒教室」のため、京信の複合施設で開いたキックオフイベントだ。同組合の増田徳兵衛理事長と京信の榊田隆之理事長が酒だるのふたを割り、杯を上げた。

 伏見は「松竹梅」「月桂冠」「黄桜」などで知られる酒所。生産量で兵庫・灘に次ぐ。同組合は23の酒蔵で構成。理事長の増田氏は、「月の桂」のにごり酒で知られる増田徳兵衛商店の14代目で社長だ。

 増田氏は「京都の飲食店でも閉めるところが結構あって残念だが、今日からはルールを守っておいしいお酒を提供できる」とあいさつ。京信の榊田氏は「伏見のお酒は京都の大事な地域資源。まだコロナ禍だが、一緒に広めていきたい」と呼びかけた。

 2日から始める日本酒教室は、この複合施設「QUESTION(クエスチョン)」で開かれる。増田徳兵衛商店やキンシ正宗、月桂冠など伏見の七つの酒蔵の社長や研究員らが、日本酒の飲み比べや料理との組み合わせ、研究成果などを語る。

 もともと8月に開く予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大が収まらず、延期していた。同組合と京信は、伏見の酒の魅力を知ってもらうため、酒蔵と飲食店の商談会や、若者を対象にした試飲会も開くという。

 実は、この日の乾杯はノンアルコールの日本酒だった。増田氏は「せっかく緊急事態宣言も明けたから、日本酒でと思ったが、大事をとってあえてノンアルにした」という。神社でおはらいを受けたお神酒も用意していた。しかし、ここはノンアルにし、「それぞれ家で楽しんでもらえばいい」と考えた。「今日はとっても迷いました」

 国税庁の統計によると、日本酒全体の出荷量は、ピークだった1973年度の177万キロリットルから2019年度は4分の1の46万キロリットルに減った。一方で、純米酒や純米吟醸酒の占める割合が高まり、平均単価は上がっている。(諏訪和仁)