3.11後、大谷選手がみせた優しさ バッテリー組んだ捕手はいま

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中山直樹
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 大リーグで103年ぶりとなる「1シーズン2桁勝利、2桁本塁打」の偉業達成まであと1勝だった大谷翔平選手(27)が3日(現地時間)、今季最終戦を迎える。花巻東高校時代、バッテリーを組んだ佐々木隆貴(りゅうき)さん(27)は大谷選手の活躍を、驚きと懐かしさが入り交じった思いで見ている。

 「何だか、俺が球を受けていたなんて、信じられないっすね」。大槌町で暮らし、風力発電の整備会社に勤める佐々木さんは、そう言って笑う。

 高校2年の秋にバッテリーを組んで以降、大谷選手が投げる球を数え切れないほど受けた。でも、あの1球を捕ったときの感覚は今も手のひらに残っている。

160キロを記録した9年前の夏

 2012年7月、3年の夏の岩手大会準決勝。一関学院相手に六回表2死一、三塁のピンチを迎えると、大谷選手のギアが1段上がったのが分かった。

 157キロ、159キロ――。そして6球目。左打者の内角低めに、その球はきた。重みを全身で受け止めるように、グラブを突き出したまま下を向いた。

 「最初は低めのボールかなと思った。でも球威があったからボールが浮き上がってくる感じだった」

 見逃し三振。打者の力がふっと抜け、後ろによろけたように見えた。電光掲示板の表示は160キロ。高校生最速記録だった。

     ○

 忘れられないことが、もう一つある。

 高校2年になる直前の201…

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