秋の登山シーズン 遭難に気をつけて

渡辺七海

奈良がわかる!

オシドリの「はなくいどり」は朝日新聞奈良総局の公式キャラクター。正倉院宝物にも描かれた吉祥文様です。花をくわえて、最新のニュースや身近な話題を求めて県内を飛び回ります。

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 はなくいどり 秋の登山シーズンだね。奈良ではどんな山が親しまれているんだろう。

 A 生駒山や若草山といった低めの山から、葛城山や金剛山のような1千メートル前後の山、近畿最高峰の八経ケ岳(はっきょうがたけ)(1915メートル)、大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)といった縦走路など。入門者から上級者向けの山が色々そろっている。

 は 遭難する人がいるという話もきくよ。

 A 県内では南部の山を中心に、山岳遭難が多発している。県警によると、2019年は46件53人、昨年は56件69人が遭難している。69人のうち3人が亡くなり、2人が行方不明だったよ。今年は8月末までに37件45人が遭難していて、昨年同期比の29件37人より多い。コロナ禍で人混みを避けるレジャーが注目され、登山客が増えているという話もある。

 は どんな時に遭難するんだろう。

 A 今年の遭難37件のうち、15件が「道迷い」だった。次いで「転倒」8件、「滑落」が7件と続いた。

 発生地では、昨年は大峰山系が全体の53%を占めていたね。あとは県外からの遭難者も多い。昨年は遭難者69人中、約7割が県外から来た人だった。県別には大阪27人、兵庫8人、京都6人、和歌山3人、滋賀2人などだね。

 は どうして県外の人が多いのかな。

 A 気軽にいけて、しっかり登山気分を味わえる1500メートル以上の山は、近畿では紀伊山地に集中している。日本百名山の大峰山や大台ケ原山も登山客を引きつけているね。アクセスがしやすいことも大きい理由だろう。

 は 遭難しないようにするにはどうすればいい?

 A 県山岳連盟に、遭難対策に役立つ準備や道具を教えてもらったよ。地図はもちろん、山岳保険への加入、コンパスなど。また日帰りであっても、防寒着やツェルト(簡易テント)、予備食なども重要だ。地図上に移動距離やGPSを利用した自身の位置情報が表示されるスマートフォンアプリ「YAMAP」の利用、発信器で居場所を捜してもらえる会員制捜索ヘリサービス「ココヘリ」への登録もおすすめと言われたよ。

 遭難した場合の捜索や救助活動に備え、登山届の提出も必要だ。当日に登山口などに設置されている登山届ボックスに入れるのでもいいが、出発の3日前までにメールフォームや県警本部に郵送・ファクスするのがよりおすすめ。昨年は56件の山岳遭難のうち、43件が登山届を提出していなかった。

 は 遭難したらどうしたらいい?

 A もと来た道を戻って、目印や見晴らしの良い場所まで戻ることだ。携帯電話の電波がつながる時は、警察に連絡しよう。電波がつながるかどうかは、事前にインターネットで確認できる通信会社もある。

 沢筋に下ることは、滝や崖などがあり、滑落の危険もあることから避けた方がいいという。

 遭難したことが分かれば、県警の山岳救助隊や消防が、事前に提出された登山届や電話での連絡を元に捜索してくれる。ただ、それもずっと続くわけじゃなく、ある程度の期間で打ち切られる。

 秋の登山を楽しむためにも事前の準備を整えて挑みたいね。日が落ちるのが早いから、時間に余裕をもって行動しよう。(渡辺七海)