ドゥテルテ大統領、突然の政界引退を表明 比副大統領選にも不出馬

ハノイ=宋光祐
[PR]

 フィリピンドゥテルテ大統領は2日、「政界から引退する」と述べ、来年5月の副大統領選への不出馬を表明した。与党PDPラバンから公認候補に指名され、これまでは次期政権でも麻薬対策などに取り組む姿勢を示していた。与党からは代わりに側近のボン・ゴー上院議員が副大統領選への立候補を届け出た。

 ドゥテルテ氏はこの日、大統領選の与党候補に指名されていたゴー氏とマニラ郊外に設けられた立候補の届け出会場を訪れた。ドゥテルテ氏も副大統領選への出馬の届け出に来たと思われたが、その場で突如、「フィリピン人の多くが、私の立候補は憲法に反すると感じている。人々の意思に従う」として不出馬を表明。「政界からの引退を宣言する」と述べた。

 フィリピンでは1986年まで独裁体制を敷いたマルコス政権の教訓から大統領の任期は憲法で1期6年限りと決められている。

 ドゥテルテ氏側は副大統領は別の選挙で選ばれるため問題ないとしていたが、大統領が病気などで不在になれば、実質的に2期目を務めることになり、批判が集まっていた。民間調査会社が9月下旬に発表した世論調査では、6割の回答者がドゥテルテ氏の立候補は「憲法の趣旨に違反する」と答えた。

 大統領選をめぐっては、ドゥテルテ氏の長女サラ氏の出馬が取りざたされている。サラ氏はこれまで「国政選挙には親子2人のうち1人しか出ない」と発言していた。ドゥテルテ氏の副大統領選の不出馬が今後、サラ氏の立候補につながる可能性がある。(ハノイ=宋光祐)