肉筆浮世絵111点を展示 繊細な描写に宿る絵師の力 菰野の美術館

黄澈
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 江戸初期から明治期まで約240年にわたる「肉筆浮世絵」の歴史をたどる展覧会「美を競う 肉筆浮世絵の世界」が、三重県菰野町の美術館「パラミタミュージアム」で2日、始まった。葛飾北斎ら、各時代を代表する絵師による作品111点を展示している。

 肉筆浮世絵は、多色刷りの木版画「錦絵」と違い、絹や和紙に直筆で描いた1点もので、着物や結髪の繊細な描写など、絵師の技量を存分に味わえる魅力があるという。今回は、岐阜県高山市の光ミュージアムが所蔵するコレクションから、宮川長春、歌川広重、月岡芳年ら著名な浮世絵師の作品を集めた。

 渓斎英泉(けいさいえいせん)(1791~1848)の作品「立ち美人」では、芸者の着物の輪郭線が金色なのに対し、顔の部分は赤い輪郭線で縁取られており、女性のつややかさを強調する効果をもたらしている。同美術館学芸員の衣斐唯子さんは「錦絵が彫師(ほりし)や摺師(すりし)との分業態勢で制作されたのに対し、肉筆画では、絵師の本当の力量を知ることができる」と話している。

 会期は11月14日まで。一般1千円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。新型コロナウイルスの感染予防のために、入館にはマスクの着用が必要。検温も実施する。今月17日午後2時には、展覧会を監修した美術史家の鈴木浩平さんによる講演がある。問い合わせはパラミタミュージアム(059・391・1088)。(黄澈)