一家にひとつ、これじゃん! 中華料理店が生んだ万能調味料人気

久保田一道
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 水戸市の中華料理店が編み出した万能調味料の人気に火がついている。その名も「是好醬(コレイージャン)」。新型コロナウイルス禍で客足が減った昨年、商品化した。SNSで話題になり、スーパーやアンテナショップの棚に並ぶまでになった。

 是好醬は、白ゴマをふんだんに使い、揚げたニンニクやエシャロットなどを混ぜ合わせたオイル状の調味料。ザクザクとした食感と香ばしさが魅力だ。小瓶(120グラム)は税込み540円で、大瓶(330グラム)は同1080円。キャッチコピーでは「かけるだけ 混ぜるだけ」とうたう。冷ややっこなどにそのままかけても、マヨネーズに混ぜても合うという。

 中華料理店「好的酒販(ハオテキシュハン) 好(ハオ)」(水戸市南町3丁目)の代表、斉藤正紀さん(42)が開発した。「中華鍋の中の味を詰め込んだ」。仕事帰りの人が飲める「中華風居酒屋」のようなコンセプトだった店は、新型コロナの影響で客足が遠のいた。昨年春にランチを始めたが、売り上げの半分を占める酒類は提供しにくい時期が続いた。

 「ほかに何か売れるものはないか」。思いついたのが、もともと常連客の持ち帰り用に作っていた調味料だった。市販できるよう、昨年5月に保健所の許可を得た。弁当を売るキッチンカーで販売をはじめ、知り合いの飲食店や小売店にも置いてもらった。県内の道の駅にもアピールして回った。

煮浸しに、おにぎりに…SNSにレシピ続々

 営業活動を続けるうち、SNS上で是好醬を使った料理が次々に紹介されるようになった。「ナスの煮浸しに」「是好醬と大葉のおにぎり」――。「個々の消費者に使い方を考えてもらえるよう、お勧めの調理方法の紹介は最小限にとどめた」という販売戦略が功を奏した。

 SNSの人気は大手スーパー関係者の目に留まり、複数の店の棚に並ぶように。今年8月には、県のアンテナショップでも取り扱いが始まった。

 斉藤さんにとって、コロナ禍は飲食店経営者としての考え方を変えるきっかけになった。「宴会や飲み放題をメインにした営業には、もう戻せないかもしれない」。いま、店での飲食は予約制だ。それ以外のキッチンカーでの弁当販売やイベント出店、是好醬販売などに力を入れ、経営を多角化している。

 是好醬の出荷は、大瓶、小瓶合わせて月に約2千本。現在は調合から瓶詰めまで手作業でこなしているが、この製造工程を機械化することも検討しているという。

 目標は大きい。「マヨネーズのように、一家にひとつ常備してもらう存在になったらいい」(久保田一道)