「自民党イコール二階党の終わり」 御厨貴さんが読み解く幹事長交代

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聞き手・浅沼愛
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 自民党二階俊博氏が党幹事長を退任した。なぜ、二階氏は歴代最長の約5年間、党中枢の幹事長ポストを担い続けてきたのか。「二階政治」とは。政治学者の御厨(みくりや)貴さんに聞いた。

 ――二階氏は、最高齢で幹事長になりました。なぜ党の中枢まで上り詰めることができたんでしょう。

 「非常に不思議です。彼は一度は小沢さん(小沢一郎・衆院議員)と自民党を出た人ですよね。10年ぐらい経ってから、保守党や保守新党を今の二階派の核にして自民党に戻ってきた。復党した人は、自分たちが一番苦労している時に出ていって、向こうが悪くなったら戻ってくるから最も嫌われるんです。ところが、二階さんは自民党に元々いた人のように言われちゃうんですよね」

 「戻ってから二階派もつくりました。他の会派にはそれぞれ伝統があって、代々引き継いでいる。派閥をつくったのは彼だけで、しかも今は50人の大派閥です。彼は人間的魅力というか、何かよくわからないけど、とにかく人を引きつけてしまう」

最後の党人派、みんな圧倒されてしまう

 ――「二階政治」の本質とはなんでしょうか。

 「二階さんの所に行くと、和歌山の地図を出してきて『和歌山だけ高速道路がない』と示してみせる。高速道路がない地域から出ているから、国土族と言われようが、建設族と言われようが、自分は最後の国土族になってやると。理屈はちょっと変だけど、そう言うならそうかなと。それで最後はミカンをくれる。『今日は二つ袋あるから、二つ持ってけ』って。党本部の二階さんの部屋から紙袋を二つ持って出るのは嫌だと言うと、『別に札束じゃねえんだから』って言われました。非常に明るい人で、嫌な気持ちを与えない。いわゆる昔ながらの党人派は彼が最後で、彼が自民党に戻ってきた時にはほとんどいなかった。だから希少価値になった」

 「二階さんはイデオロギーではなく、実利に重きを置いた現実主義者です。だから観光業を盛んにしようと、中国に大挙して押しかけるようなことを平気でやれる。(政治の師と仰ぐ)田中角栄元首相と似ているのは、自分の所だけでなく、国土改造に関係した業者にも実利を均霑(きんてん)する(平等に得られるようにする)。観光の業界団体の会長も30年ぐらいやっている。観光業もみんなもうけさせてやるとかね。『じゃあ二階さんを支持しよう』となる」

 ――「剛腕」とも言われています。

 「衆院選では、1人区の小選…

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