東京都の地域政党「都民ファーストの会」が3日、来月にも実施される衆院選に候補者を擁立すると発表した。国政に人材を送り込んで都政とのパイプ役を作る狙いだが、特別顧問の小池百合子知事は「我関せず」の姿勢を貫き、執行部との溝が広がるリスクを抱える。党内からは早速、「全くコンセンサスが取れていない動き」との不満が漏れ始めている。
新党設立 難色を示した小池氏
「『ファーストの会』という新党名は、小池特別顧問と決めました」
都民ファ代表の荒木千陽都議は会見でそう述べ、小池氏との連携を主張した。だが、一方で、「小池氏に総選挙への出馬を要請することはない。小池氏には都政に邁進(まいしん)して頂きたいし、私たちは都民の利益を国政で追求したい」とも述べ、小池氏が新党に携わらない見通しも示した。会見の様子を見守った都議の一人は「新党を小池氏と決めたというのは、荒木氏の強弁だろう。小池氏の理解は得られていないのだから」と語る。
小池氏周辺の複数の関係者によると、この数週間、荒木氏らは小池氏の元を頻繁に訪問。衆院選で候補者を擁立し、国政進出することへの支援を得ようとしたという。
だが、政権与党で都議会第1党の自民党や、4日に発足する岸田新内閣との連携を重視する小池氏は、都民ファの候補者擁立に難色を示し続けたという。
都民ファの「生みの親」でもある小池氏が難色を示し続ける中、荒木氏らは1日夕、3日に国政新党設立について記者会見すると報道機関に発表。その動きが明らかになった後、小池氏は記者団に「都民ファが何やら動いていることについて、私は関知しておりません」と述べ、都民ファの国政進出に関与しない姿勢を明確にした。
小池氏周辺の一人は、小池氏の心中をこう説明する。「会見を強行した荒木氏に怒っており、特別顧問職を辞することも検討しているようだ」
今回、荒木氏ら都民ファの執…