吉田正不在でも勝つ!心折れかけた監督を勇気づけた 4番の一振り

佐藤祐生
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(3日、プロ野球 オリックス・バファローズ3―0ソフトバンクホークス)

 打線の要がいなくても、全員で勝つ――。主力の離脱で落ち込むチームを、オリックスの4番が一振りで勇気づけた。

 杉本裕太郎は二回無死、ソフトバンクのエース千賀滉大の159キロを軽々と右越えにはじき返し、先制本塁打とした。「(左打者の吉田)正尚が打ったような打球で、乗り移ったのかもしれません」

 前日、チームに衝撃が走った。9月26日に左太もものけがから復帰したばかりの吉田正尚が、死球を受けて右腕を骨折。再び、リーグトップの打率を誇る強打者の離脱を余儀なくされた。

 連勝中にもかかわらず、重たい空気が漂った。どんな時も大声で選手を鼓舞し続けてきた水本勝己ヘッドコーチさえも背中を丸めていた。杉本は初めて見る姿に驚き、声をかけた。「ヘッドから元気を取ったら何もなくなりますよ」

 吉田正の青学大の先輩でもある杉本は言う。「本人が一番悔しいと思うし、今までずっと僕らを支えてくれた。あいつの代わりはいない。全員で力を合わせるしかない」。リーグトップを走る29号ソロで、先陣を切って結果で示した。

 打線はその後、安達了一の中前適時打などで四、五回に1点ずつ奪い、投手陣はソフトバンク打線を2戦続けて無得点に封じた。

 杉本はお立ち台で呼びかけた。「全員で次からも勝てるように頑張るので、ファンの皆さんも元気を出してください」。残り15試合。何があっても、勢いを止めるつもりはない。(佐藤祐生)

 中嶋監督(オ) 吉田正の離脱について「正直、心が折れかけたが、いるメンバーでやるしかない。杉本のソロは非常に勇気をもらった」。

 竹安(オ) 6回1安打で無失点。「精いっぱいでした。(吉田)正尚さんが離脱したけど、何とか流れを持って来られるように必死に投げました」

 工藤監督(ソ) 4連敗。「何も悲観する必要はない。とにかく目の前の試合に集中して戦っていくことが何より大事」

 ▼吉田正(オ)が骨折 3日、出場選手登録を外れた。2日のソフトバンク戦(京セラ)の四回に右手首付近に死球を受けて途中交代。大阪市内の病院で右尺骨の骨折と診断された。レギュラーシーズン中の復帰は絶望的。9月26日に左太もも裏の筋損傷から復帰したばかりだった。