死と差し向かいの生、MINAMATAの真実 ユージンに耳を傾けて

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奥正光
【MINAMATA ユージン・スミスの伝言】ユージンが見つめた人々の勇気と不屈の魂
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 真実は、時に真夏の太陽のようにまぶしく、直視できないのか。熊本県水俣市に暮らし、幾度もつぶやいた。

 世界に水俣病の実態を伝えた米国の写真家ユージン・スミス(1918~78)を俳優ジョニー・デップが演じる映画「MINAMATA―ミナマタ―」が2020年2月、ベルリン国際映画祭で初公開された直後。水俣のある店のカウンターで客の一人がつぶやいた。「いまさら当時の水俣を描かれても……蒸し返さんでほしい」

 苦い経験があるからだ。修学旅行へ行った関西の土産物店で、どこから来たのか問われ、勇気を振り絞った。「水俣です」。すると露骨に嫌な顔をされた。外からは「うつる」といった間違った知識や中傷にさらされ、なおさら歴史的受難を直視できなくなった。地元だからこそ、本当に見ようとすれば、苦しいから。

 ただその客の話には一度も…

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水俣病と水俣に生きる人々を撮り、世界に伝えた米国の写真家ユージン・スミス。彼の写真とまなざしは、現代もなお終わらない受難を照らしている。[記事一覧へ]