南北通信連絡線が4日午前9時に再開 韓国政府が発表

ソウル=神谷毅
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 韓国統一省は4日、南北の通信連絡線が午前9時に再開し、通話が行われたと発表した。金正恩(キムジョンウン)総書記が先月末の最高人民会議(国会)での施政方針演説で、8月に遮断した連絡線の再開に触れていた。正恩氏には相次ぐミサイル発射で軍事力強化を誇示しながら融和的な態度も見せ、韓国や米国との関係を有利に運ぶ狙いがあるようだ。

 再開に先立ち、北朝鮮朝鮮中央通信が4日朝、「4日午前9時に全ての北南通信連絡線を再開する」と報じていた。同通信は「南朝鮮(韓国)当局は、北南通信連絡線の再稼働の意味を深く理解し、北南関係を収拾して明るい前途を開くうえで重大な課題を解決するため、積極的に努力すべきだ」と強調した。

 北朝鮮は昨年6月に連絡線を遮断。今年7月末に再開したが、8月の米韓合同軍事演習に反発して連絡に応じなくなった。正恩氏は先月の演説で再開理由を「硬直する北南関係が一日も早く回復するための努力の一環」と説明していた。

 最近の文在寅(ムンジェイン)大統領や韓国高官らの発言をみると、北朝鮮の相次ぐミサイル発射に対して批判を抑えており、正恩氏はこれを「評価」したようだ。一方、同通信は韓国側に関係改善を望むなら行動に出るよう求めている。ミサイル発射などを批判しにくい環境を作ったうえで先端武器の開発を続け、さらに人道支援経済制裁緩和を引き出すため米国の説得を促すなど、文政権を利用する構えとみられる。(ソウル=神谷毅)